*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
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千歳とふたりで校門付近まで差しかかったとき、学校に向かう生徒のなかに、見覚えのある後ろ姿を見つけた。
「……あ、」
先に気づいた千歳が走り出す。
「おはよう」
千歳の声で振り返ったのは乃愛だ。
オレと千歳を交互に見てから、
「朝から手繋ぎで登校?浮かれてんね」
「……繋いでないよ!?」
千歳とほぼ同時に真っ赤になった。
「どうでもいいけど」
「あ、待ってよ」
素っ気ない態度で歩き出そうとした乃愛を千歳が止める。
「昨日はありがと。……助けてくれたんだよね?」
「…………別に。ていうか魔陀羅潰すの私だから。その前に勝手にオマワリに捕まられて自爆されても困るワケ。分かる?総長さん?」