コミュ障なんです!


「えー? 和賀さん?」


突然、会話に自分の名前が出てきてビビる。
私の苗字は難しい字ではないけれどあまりいない。うちの会社だと、多分私だけだと思うんだけど。


「そう。いきなり参加するって。……まあ、人はホントに足りないから助かったけど」


どうやら入ってきた人の中には、岩田さんもいたらしい。
心臓がさっきよりずっと激しく鳴っている。


「えー、でもさ。和賀さんだと引き立て役にもならなくない?」

「そうそう。むしろ連れて行ってこっちの株が下がるくらいな? だってあの人、話しかけてもいつもぶつ切りの返事しか返ってこないし」


お友達と思われる女子社員の声は多分、同期の神谷さんと川西さんだ。

あー言われてしまった。ですよね。私なんかが行ったら、場を盛り下げるだけですよね。


「そう……ねぇ。でもねぇ。悪い人じゃないんだよ。前に私が仕事でミスした時もすぐフォロー入れてくれたし」

「美波は人がいいよねぇ。そりゃあの人仕事はできるけどさぁ。でも自分の言いたいことだけ言って後は見向きもしないじゃん。絶対あたしたちのこと馬鹿にしてるって。頭悪そうって思われてそう」


そ、そんなことはありませんよ。
みんな綺麗で話上手ですごいなぁって思ってますとも。

個室の中で、心で言い訳を叫んでも聞こえるはずはないのだけど、思わず弁明してしまう。
でも、そのうちのひとりの、間をあけてからのひと言は心に刺さった。


「……本当に連れていくの?」


あ、だめだ。
これ、行っちゃいけないやつだ。
私が行ったら、この人たちの気持ちみーんなトゲトゲになっちゃうやつ。

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