塩素系と酸性系の洗剤を混ぜれば塩素ガスが生じてしまうのだけれど、私達もそんな風に相容れないのかしら?
「余裕なんてありませんよ。ただ、結果は同じであっても過程が違うと言っているだけです。」



直系血族も葛霸は体質により継承権は無いが、裏部隊を指揮する者として矢面に立っている。



「そうね。貴方と現ボスの利害関係が一致している今はいいけれど、貴方達がファミリーへ銃口を向けるのならば、私は必ず。」



先代までは抗争に勝つ為にかなり酷いことをしてきた。


葛霸と前ボス以外のファミリーは知らない、真っ黒い秘密の真実。



「確かに以前僕が試すような真似をした時、貴女はそうしました。ですが、僕の仲間は貴女を止めようとした。それは好意があるからで、僕を守ろうとしたならば敵意があるってことですから。」



古いしがらみに縛られ協力させられた人体実験、その被験体が弑達だった。


仲間と共に茨の道へ潜り込んだはずなのに。



「好きで側に居たいと思った、一緒にいる理由などそれだけ。貴女にどれだけ後悔があろうと、離れないのは僕の意思ですよ。」



マフィアを恨んでいるのは事実でも葛霸か仲間かなど選べないと話せば、幸せを願ってくれた仲間は幾つものボーダーラインを越えた復讐者(アヴェンジャー)であるから。
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