透き通る季節の中で
第1章 遠い記憶
「おぎゃー、おぎゃー」
「この子の名前は、花が咲くの咲に樹木の樹と書いて、咲樹にしよう」
「そうね。五月は新緑の季節だから、咲樹がいいわね」
 
 私の名前は、佐藤咲樹。五月に生まれたから、咲樹と名付けてくれたそうだ。
 自分の名前は好きなわけでも嫌いなわけでもない。
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