透き通る季節の中で
 この日の夜、美咲と友紀の家庭教師になったことをお母さんに話してみたら、すごく喜んでくれた。

「勉強するのに、ちょうどいい機会かもね」
 お母さんが言ったとおりだと思う。でも、日中は一人で勉強しなければならない。黒板を見ることもなく、勉強を教えてくれる先生もいない。

 それでも、勉強しなければならない。
 勉強しなければ、学力は落ちる一方。
 美咲と友紀と同じ高校に進学できるように、頑張って勉強しなければならない。

 膝の痛みを我慢しながら、教科書と参考書を読み、美咲と友紀が持ってきてくれたノートに目を通してみた。
 二人とも字が汚い。でも、優しさを感じる。
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