ろ う そ く




「…武山…!!」




悲しみと不安が混じった私の声が、あの人に届いた。



すると、懐かしい顔がこっちを振り向き、私はゆっくりあの人の方へ歩き出した。




私には、その10秒ぐらいの時間が、スローモーションのように思えた。




「武山…やんなぁ?」



今度は、少し泣きそうな声で言った。


というより、泣いてたかも知れない。



< 96 / 221 >

この作品をシェア

pagetop