ろ う そ く
廊下を曲がった先に立ってたのが、
会いたかったあの人やったから。
髪型も変わってるし背も伸びてるから、まるで別人みたい。
でも…
そこに立ってたのは、まぎれもなくあの武山やった。
今すぐ名前呼びたい。
泣いて飛び付きたい。
だけど、なかなか声が出えへんかった。
立ちすくむ私とは反対に、あの人は淡々とした表情でこっちに歩いてくる。
気づいて気付かぬふりをしてる。
あの人が私を通り過ぎた時、やっと声が出た。