その恋、あと3センチ
私がシャーペンを手に取ると、
「桜ちゃん」
先生が私の名前を呼んだと思ったら、腕を頭に回され、ぐいっと先生の顔が目の前に。
「な、なんでスカッ」
声裏返った。裏返った。裏返った。
自然と熱くなる顔。
「俺、ご褒美欲しい。」
「し、知りませんよっ。刺しますよっ」
私はシャーペンを持った手を上げる。
「えー、やだ。痛いじゃん」
先生はヘラりと笑いながら私のその手からシャーペンを取った。