spicy◇candy
「お邪魔します」
藤谷は大人の前では偉く礼儀正しい。事情を話したらうちの親も、あっさり1泊を許してくれたため、彼女は安堵の顔で俺の部屋にやって来た。

しかし片付けの行き届いてない俺の部屋は、生意気にもよく樹にバカにされる。樹の部屋の方が確かにまだマシである。必死に床に散らばった漫画本をまとめていると、

「別にそのままにしとけば?私の部屋もこのくらいだらしないんだし」

意外な言葉の驚きに、漫画本がどさりと地に落ちる。握力の緩みである。初めて聞くフォローとやらに、俺はただこんな言葉もこいつの口から出るんだな、と感心するばかりだった。
< 64 / 107 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop