爆発まで残り5分となりました

「明日、絶対鞄で来て。それから筆記用具とか……水筒も持ってきて！いつも通りに行けば、きっと何もないから」



「は、ハチマキは？」



喉の奥で心臓が鳴っているようだった。確実に、鼓動が速くなっている。



「一応持ってく。あと、携帯もこっそりね。だから、明日の準備は今日のうちにして、早めに寝よ」



もはや電話さえも怖い。早く切りたい。
微かに開いたドアの隙間が怖い。



言葉では表現できないような恐怖に負われながら、私は続ける。



「じゃあ明日、八時に校門の前で会おう。今日の話はそこで。分かった？」



「う、うん……」



「切るよ」と声をかけると、私は携帯を閉じた。そして、ふっと息を吐く。



まだばくばくと音を立てている心臓は、今にも爆発しそうだ。



大丈夫、夢かもしれないから。



卒業式だけ。明日は私たちは卒業して……それで、卒業証書を持って写真を撮って。



「……大丈夫、だよね」