恋愛指南は乙女ゲームで
「おー、クリアしたかー」

 一応クリアしたことを伝えると、今野は俺のスマホを覗き込みながら、結果を診断する。
 何がわかるんだろうか。

「ていうか、ほんとにギリだな。まぁお前が課金もしないでクリアできただけでも奇跡かもな」

「課金なんざ、する気ねぇ」

「あ、でもエピローグは見れなかったんだな」

「ハートなんか持ってねぇもん」

「それもバラプレゼントとかで、徐々に貰えるんだがな」

「そうだったのか。でも別にいらねぇ。これ以上政子に付き合ってられん」

「いかにもお前らしいキャラだな」

「名前だけだろ。それにしてもなぁ……」

 うんざりと、俺は机に突っ伏してスマホを見た。

「こんなものの、一体どこが面白いんだ?」

 曲がりなりにも、これは『ゲーム』なのだろ?
 で、女子の間では結構な人気があるという。
 だけど謎だ。

 ゲームというのはブロックを崩したり、敵を倒したり、農場を作ったりするものではないのか?
 ただ話を読んできるだけで、ゲームと言えるのか?

「物凄い時間を無駄にしたような気がする」

 素直な感想を述べると、ぱこんと頭を叩かれた。

「馬鹿、そういうのがないと、お前みたいな奴はいつまで経っても女心がわからないだろ」

「これやったってわかんねぇ」

「何でだよ。お前が女になりきってストーリーを進めるんだぞ。都度正しい選択をしないと駄目なんだから、ちょっとはスキルアップするはずだ」

 なるほど、それはそうかも。
 俺が正しい選択をしてたとも思えんが。
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