恋愛指南は乙女ゲームで
「俺なら<C.だったらてめぇがしろや>だ」

「阿呆。そんな女の子、乙女ゲームに出てくるわけないだろ。この場合は、これだな」

 言いつつ今野はAを選択。
 はぁ?
 口の利き方のなっとらん野郎に、何で謝らないといかんのだ。

 だが。

<Nice answer!>

「うっそ」

「素直でけなげな政子ちゃんなんだぜ。いやいや、俺が言いたいのはその後よ」

 今野は再び俺にスマホを向ける。
 そこには俺様が底意地の悪そうな笑みを浮かべていた。

<『しょうがねぇな』
 ぶっきらぼうに言いながらも、先輩は私の仕事を手伝ってくれる>

「これが大事なんだよ。何だかんだで、フォローが入る。それが自然に出て来てこその俺様キャラなんだ」

 そうなのか。
 つかフォローすんなら初めから言うな。

「まさに飴と鞭。うん、やっぱり笑顔が大事だな」

 楽し気にスマホを操作する。
 何か視点が俺と全然違う。

「いいか政重。乙女ゲームは女子力アップだけじゃない。どうすれば女の子のハートを掴めるか。それも学べるのだ!」

「お、おぅ」

「いろんなタイプの男が取る行動ってものもわかるしな」

「……お前はほんと、何事にも楽しみを見出すよなぁ。羨ましい」

 思わずため息をついてしまう。
 今野はちらりと俺を見、そしてスマホを操作して、田村 暁とのステータスをまじまじ見た。
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