恋愛指南は乙女ゲームで
episode:3-6 ライバルとの関係性とか同期会とか
<先輩のことがあってから、ちょっと田村くんとの距離は縮まったように思う。次の金曜日は同期会だし、この調子でもうちょっと近づけたらいいな>

 あれから何か政子はいろいろ田村に気を遣って、プライベートに踏み込んだことを謝った。
 で、何かのきっかけで、先輩は大学の頃のサークル仲間だったことがわかったんだ。
 田村は気を遣っていろいろしていた政子に、ちょっと心を開いてそれを教えてくれたようなのだが……。

 馬鹿じゃねーの、政子。
 何をそんなに気を遣う必要があるんだ。
 付き合ってもないうちから尽くし過ぎ。

 つか田村、上から過ぎ。
 田村は先輩でもなければ上司でもない。
 単なる同期だろうが。

 同格だっつーのに、いつもいつも上から物言いやがって。
 俺、こんな奴絶対嫌。

 ……なんだが、政子はいつの間にやら田村にぞっこんだ。
 『ぞっこん』とか言ったら、また今野に爺臭いとか言われるな。

 大体どこに惹かれる要素があったんだ?
 今度今野に解説を頼もう。

<今日は同期会。久しぶりに同期の皆と会えるし楽しみ。六時半にフロアを出ると、丁度田村くんがエレベーターホールにいた>

<選択してください>

 来た。
 今まで何度かこの関門があったが、何故かことごとく外してきたからな。
 こんだけ三択を外すと、何か今野の言う女子力ってものの無さを痛感せずにはいられない。
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