恋愛指南は乙女ゲームで
 三択か。
 つかAはナシだ。
 気まずいことこの上なしだろ。

 俺だって頑張って喋るぞ。
 まぁ限界はあるけど。

 Bは……どうだろうな。
 でもCだと進展しねぇじゃん。

 これってゲームなんだし、何話までって決まってんだから、とっとと進めないと枠内に入らんじゃないか。
 うじうじするんじゃねぇ。

 よし、Bだ。
 選択っと。

<良い選択じゃなかったね>

 はぁ?
 こっちゃ気を遣ってとっとと話を進めてやったんだぞ?
 俺だってこんなくだらんことにいつまでも付き合ってる暇はないんだ。

<『お前に関係ないだろ』
 田村くんはそう言って、口を噤んでしまった。
『あの、ごめんね』
 小さく謝るが、田村くんは前を向いたまま。何となく気まずい空気のまま、私たちはマンションへと歩いた>

 ……て、おい!
 普通に話進めてんじゃねぇよ。
 さっきはじゃあ、どれが正しい選択だったんだ?

 その後も結局正しい回答は得られないまま、話は進んだ。
 政子は自分の取った行動(つまり俺の選択だ)に落ち込みつつ、しばし元気なく日々を過ごす。
 そうこうしているうちに、田村と先輩の距離は近付き……。

「う~……。これ、一体いつまで続くんだよ。もしかして両想いになるまで?」

 俺はスマホを投げ出したい気持ちで唸った。
 そういや恋愛シュミレーションゲームって、結局どうなったらクリアなんだ?
 やっぱり両想いになったら?

 つか振られるってコースもアリなのか?
 だったらもしかして、振られたらいつまで経ってもクリアできないんじゃ……。

 まじかよ。
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