例えば危ない橋だったとして

また週末を自堕落に過ごす。
誰かに話でもして気分転換を図った方が良いのではないだろうか……。
ようやく友人に連絡をする気力が湧いて来た。
しかし、黒澤くんのことは誰にも話していない……最初から話をすれば良いのかも知れないが……何だか辛い。
そこまで考えて、更ちゃんの存在を思い出した。
さわりを話している人がいたことに気付いたのだ。

週末なのに連絡しても良いだろうか、と躊躇いつつもメッセージを送った。
30分程して、明るい返事が返って来た。

『先輩、お久しぶりです~! 飲み、行きましょ行きましょー♪誘って貰えるなんて嬉しいです! 来週のノー残業デーはいかがですか?』

とりあえず約束を取り付けたことで、ノー残業デーの水曜日まで何とか乗り切ろうという、モチベーションになった。


3日間辛かったが、どうにか仕事を終える。
大きな失敗もしていない、及第点だ。

今回は先日のショッピングモールに新しく出来ていたスペインバルが気になっていたので、提案してみたら更ちゃんが乗ってくれた。

例のクリスマスツリーの下で待ち合わせをした。
わたしより少し遅れて更ちゃんが現れた。

「もうクリスマスシーズンですねぇ、先輩」

楽しそうにツリーを見上げる更ちゃん。
返した笑顔は寂しげに映ってしまっただろうか、何かを察したように、更ちゃんの表情が曇った。

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