好きが涙に変わって溢れてく。

「桜綾(サヤ)」


「おはよーみんな!」



私の為にいつも用意してある椅子に腰を下ろすと、早速口からため息が漏れた。



「何よ~、朝からため息ついて。また魁と言い合いでもしたの?」


「……よくわかってんじゃん」


「当たり前でしょ~?桜綾が今までため息ついた理由っていつもそれだったじゃん」



自信満々にそう言った彩葉に対して、私はガクッと首を落とした。



「いい加減素直になれば?もう高校生活も半年だよ?」


「そうだよ、いつも意地ばっかり張ってるからそうなるの‼」



そこに瞳も加わり、私はそのまま黙り込んでしまった。



それぐらい自分でもよくわかってる。

でも……




「彩葉だけには言われたくないね」


「え……っ」



チラリと横目で見ると、彩葉の体がビクッと震えたのがわかった。


私に合わせるように逢織と瞳も疑うような視線を送る。




「似たもの同士ってわけよ。つまりは」



逢織の言葉に皆納得の様子。



実は彩葉も現在片想い中。


相手は魁とよく一緒にいる扇谷遼也。
2人の関係はまさに私達と一緒。



彩葉と私の性格はよく似てるから。

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