好きが涙に変わって溢れてく。

その時聞こえた明菜の声に、私の体はピタリと止まった。



『ねぇ瞳、本当は嬉しいんでしょ?私が彼氏と別れたこと』



その言葉に、全く反応しない私。


確信した明菜は、声を高くして言った。



『だって瞳、ずっと好きだったもんねー?その人のこと。部活の大会で会った時から』



握りしめている手に、力を込める。


……知ってたんだ、やっぱり。



明菜も私と同じ部活だった。

明菜の性格を知っていたからこそ、言わなかったのに。


明菜の言ってることは当たってる。


思い出すだけでおかしくなりそうだ。



じゃあ私、やっぱり利用されてただけなんだ……




『私は、あんな人好きじゃない‼あんたにくれてよかったよ‼』



勢い良くドアを閉めて、私は走るように明菜の家から出た。




ただ笑う明菜から離れたくて――……


.
< 67 / 432 >

この作品をシェア

pagetop