舞龍
次の日、学校に行くと渚が可愛らしい顔を歪めて、
「昨日、なんで何も言わずに帰っちゃったの?」
と聞いてきた。……あー、すっかり忘れてた。あたし逃げてきたんだった。あたしは苦笑いを浮かべながら
「一応、帰るとは伝えたじゃん?」
と言い訳してみた。その瞬間教室のドアがバァンッ!!とものすごい音を立てて開かれた。みんな唖然としている。そして少しの沈黙のあとあたりを埋め尽くしたのは黄色い悲鳴。
わが生徒会長様がこの教室に一体何の用事で……。
迅はあたしの席まで近づき、手を強い力で引っ張った。あたしは舌打ちをし迅を睨みつけた。
「なんなの?痛いんだけど。」
「なんで昨日黙って帰った。」
「は?あんたに関係なくない?」
「答えろ。」
有無を言わせないその物言いに腹が立ってきた。
「いつ帰ろうがあたしの自由でしょ?なんでそこまで干渉されなきゃ行けないの?そもそもっ、」
そこまで言ったところで、迅に掴まれていない方の手が緩い力で引かれる。そのまま引かれた方向に倒れると誰かに包み込まれた。
「揺月、」
「みーちゃん、だめだよ。それ以上はだめ。」
揺月はあたしの目を優しく覆って、迅たちに
「第1相談室に来なさい。」
とだけ伝えて、あたしを連れ教室を出た。
「……揺月、ごめん。」
立ち止まった揺月の背中に額をつける。揺月の陽だまりのような優しい香りがあたしの汚い心を浄化してくれるようで。揺月はそんなあたしを黙って抱きしめてくれて。
涙が出そうになった。けど、泣かない。いや、泣けないんだ。泣きたいのはいつだってあたしじゃないから。
そのまま揺月に手を引かれ、第1相談室のソファーに座らされた。それから少しして、ガラガラと扉が開いた。そこには、生徒会のメンバーが。
揺月は、「好きなところに座ってください」といい、お茶を入れに行った。なんだかこの場にいるのがいたたまれなくたって、揺月のところに行こうとしたが、迅に止められた。
「離して、揺月手伝いに行かなきゃ。」
そう言って離してもらおうと身をよじるがびくともしない。
そのうち揺月が人数分の珈琲を手に戻ってきた。今度こそ、と身を捩り揺月の隣に腰掛ける。そんなあたしを見て微笑んだ揺月は、前を向き直った。
「単刀直入に言うよ?たとえお前らが炎鳳であろうが、何であろうが。みーちゃんを傷つける奴は、俺と旋さんが潰しに行くから。この子は俺たちの唯一なんだ。それをお前らの手で壊されるなんて、絶対に許さない。それだけは頭に入れておいて。」
と、おびただしい量の殺気を振りまきながら、淡々と話していく。
「昨日、なんで何も言わずに帰っちゃったの?」
と聞いてきた。……あー、すっかり忘れてた。あたし逃げてきたんだった。あたしは苦笑いを浮かべながら
「一応、帰るとは伝えたじゃん?」
と言い訳してみた。その瞬間教室のドアがバァンッ!!とものすごい音を立てて開かれた。みんな唖然としている。そして少しの沈黙のあとあたりを埋め尽くしたのは黄色い悲鳴。
わが生徒会長様がこの教室に一体何の用事で……。
迅はあたしの席まで近づき、手を強い力で引っ張った。あたしは舌打ちをし迅を睨みつけた。
「なんなの?痛いんだけど。」
「なんで昨日黙って帰った。」
「は?あんたに関係なくない?」
「答えろ。」
有無を言わせないその物言いに腹が立ってきた。
「いつ帰ろうがあたしの自由でしょ?なんでそこまで干渉されなきゃ行けないの?そもそもっ、」
そこまで言ったところで、迅に掴まれていない方の手が緩い力で引かれる。そのまま引かれた方向に倒れると誰かに包み込まれた。
「揺月、」
「みーちゃん、だめだよ。それ以上はだめ。」
揺月はあたしの目を優しく覆って、迅たちに
「第1相談室に来なさい。」
とだけ伝えて、あたしを連れ教室を出た。
「……揺月、ごめん。」
立ち止まった揺月の背中に額をつける。揺月の陽だまりのような優しい香りがあたしの汚い心を浄化してくれるようで。揺月はそんなあたしを黙って抱きしめてくれて。
涙が出そうになった。けど、泣かない。いや、泣けないんだ。泣きたいのはいつだってあたしじゃないから。
そのまま揺月に手を引かれ、第1相談室のソファーに座らされた。それから少しして、ガラガラと扉が開いた。そこには、生徒会のメンバーが。
揺月は、「好きなところに座ってください」といい、お茶を入れに行った。なんだかこの場にいるのがいたたまれなくたって、揺月のところに行こうとしたが、迅に止められた。
「離して、揺月手伝いに行かなきゃ。」
そう言って離してもらおうと身をよじるがびくともしない。
そのうち揺月が人数分の珈琲を手に戻ってきた。今度こそ、と身を捩り揺月の隣に腰掛ける。そんなあたしを見て微笑んだ揺月は、前を向き直った。
「単刀直入に言うよ?たとえお前らが炎鳳であろうが、何であろうが。みーちゃんを傷つける奴は、俺と旋さんが潰しに行くから。この子は俺たちの唯一なんだ。それをお前らの手で壊されるなんて、絶対に許さない。それだけは頭に入れておいて。」
と、おびただしい量の殺気を振りまきながら、淡々と話していく。
