Des gouttes de larmes 〜涙の雫〜
『あっ戻ってましたよ〜』




『奈々ちゃん大丈夫??』




2人が心配そうに見てくる。




『ごめんね〜心配かけて、大丈夫だよ』




『よかったです〜心配しましたよ〜』




里菜が私の手を見ながら言った。




『ごめんね、中断して、さぁ牡蠣食べるぞ〜』




私はさっきの遅れを取り戻すように牡蠣に食らいついた。




『ふぅお腹一杯。』




もう、この冬は牡蠣は食べなくていいかな。
そのくらい満足した。




『ほんと美味しかったです〜』




里菜も満足しているようだ。




『よし。皆んな満足した?そろそろ帰ろっか?』




時間はもうすぐ3時になろうとしていた。




『結構長居しちゃいましたね。俺もだいぶ飲んだし。雄大さんほんとありがとうございます。』




『帰りも安全運転で任せなさい。寝てていいよ。着いたら起こすから』




『先輩が運転してるのに寝れるわけないじゃないですか!』




『じゃあ里菜寝まーす。後ろ行きまーす。』



『はいはい。奈々ちゃんも寝てていいよ』




『私は大丈夫です。起きときます。』




さっきの話を思い出して、全然眠くないのだ。
私はさりげなく、助手席へと座った。




『じゃあ出発〜』





『運転きつくないですか?』




『全然。楽しい帰り道なりそうだし。』




すると、ルームミラーを見た雄大さんが、笑いながら、後ろを見るように指を指す。




そこには、後部座席で爆睡中の2人の姿があった。




『翔君あんなに、寝ないって言ってたのに』




私は思わず吹き出してしまった。




『だいぶ飲んでたからね〜。楽しかったんだと思うよ』




雄大さんも笑いながら話す。




2人が寝ているのがわかると、なんだか緊張してきた。




『ほんと今日はありがとうございました。』




『俺も楽しかったし、こっちこそほんとありがとう。また遊びに行こう』




『もちろんです。』




『朝言ってたチョコ期待しとくね』




『そこは期待しないでください。甘いもの好きなんですか?』




『うん。好き。』




『へぇ〜意外』




なんて、お互いの話を話しをしていたら、あっという間に朝の集合場所に到着した。




『おーい。翔着いたよ〜』




『里菜あんた起きなさい〜』




『うわっ。雄大さん。すみません俺いつの間にか、寝ちゃってました。』




翔君が慌てふためく。



『里菜もうちょっと寝たいです〜』




『こら里菜〜!!雄大さんが困るでしょ』




『ははは。大丈夫。里菜ちゃんの家の最寄り駅俺帰り道の途中だから、そこまで送ってくよ』




『ありがとうございます〜』




『もぅ雄大さん。ほんとすみません。よろしくお願いします』




『奈々ちゃんの大事な後輩だから、ちゃんと送り届けますよ〜。ほんとは奈々ちゃんも翔も送ってあげたいけど』




『私は家もうすぐ近くなので、大丈夫です。ありがとうございました』




『俺もここで大丈夫です。ありがとうございました。』




『じゃあ2人とも気をつけて帰ってね。今日はありがとう楽しかった』




そう言うと、雄大さんは私達2人を降ろして車を発進させた。




『翔君今日は誘ってくれて、本当にありがとう。楽しかったし、美味しかった!』




『俺も楽しかったよ!暖かくなって、またみんなで、花見とかバーベキューとかしたいね!』




『うん行きたい!また連絡するね』




『おう!いつでもしてよ!』




『じゃあまたね!』




そうした、私達2人は別々の方向へ歩いていった。
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