Des gouttes de larmes 〜涙の雫〜
牡蠣を堪能していると。



パーン!!!




その時、私の目の前の大きな牡蠣が爆発した!




熱っ!!!




私の右手に熱い汁ががかかった。




『奈々ちゃん大丈夫!?』




『全然大丈夫です!びっくりしました』




『大丈夫じゃないよ、右手赤くなってるじゃん。外の水道に冷やしに行かなきゃ』




そう言うと、雄大さんは、私の腕を強引につかみ外へ連れ出した。




『とりあえず、水で冷やしてて。俺お店の人に氷もらってくるから』




そう言うと、雄大さんはお店の方へ走って行った。




さっきは場を盛り下げちゃいけないから大丈夫と強がったが、ちょっとヒリヒリしてきた。




はぁ〜ついてないなぁ。




『はい。氷。大丈夫?』




『ありがとうございます。なんかごめんなさい。』




『なんで謝るの?ほんと顔にかからなくて、よかった』




雄大さんの優しい言葉にに少し、泣きそうになった。




『こんな時に、悪いけど、奈々ちゃんってさ。彼氏とかいるの?』




『えっ?』




この人は、何を言ってるのだろう。
私は少しパニックになった。




『いや、いませんけど。。。』




『そっかぁ〜もしよかったら、今度食事でも行かない?船でのディナー券知り合いにもらっちゃって』




『えっあの?レストランのですか?』




夜の海をクルージングしながら、フレンチを食べる。予約困難なレストランだ。




『そうそう。せっかくだから、奈々ちゃんを誘いたかったんだ。嫌じゃなかったら一緒に行ってくれないかな?』




これはデートの誘いと捉えていいんでしょうか?神様。
私を誘いたかった?
私の馬鹿な頭は混乱していた。




『この前の合コンで、ちょっとしか話せなかったから、もっと話したいなって思ってたんだよね』




雄大さんは少し照れているように見える。




『行きたい。ぜひ行きたいです。連れてってください!』




『ほんと!?よかったぁ〜。断られたらどうしようって思ってたんだよ。』




雄大さんの顔は少年のような笑顔になっていた。




『でも、そんないいレストラン私なんかでいいんですか?』




『俺は奈々ちゃんと行きたいの!!』




そんな、言われ慣れてない言葉で、私の顔は真っ赤になっていたと思う。




顔の火照りで、右手の痛みは忘れていた。




『ご、ごめん』



雄大さんも自分の言った言葉で、恥ずかしくなっているようだ。




『あっそうだ、連絡先教えくれない?』




『もちろんです。』




『ありがとう。この前聞きそびれたから、どうしようと思ってたんだ。今日会えてほんとよかった。』




普通に恥ずかしい言葉をさらっと言うなこの人は。
こっちが恥ずかしいよ。




でも、悪い気はしなかった。




『あっこの事は誰にも言わないでね。後輩にいじられるのは恥ずかしいから』




『もちろんですよ。私口固いんで』




『ほんとよろしくね。じゃあそろそろ戻ろうか?』




私達は牡蠣小屋へと戻った。
私の顔のはきっとニヤニヤしてたに違いない。

















































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