ヘタレな貴方と強がりな私



「ねぇ、聞いてるの?」



イライラした女性の声が耳に届く
ハッとし、耳とパソコン画面に集中する


『申し訳ございません。もう一度お伺いしてもよろしいでしょうか』



久しぶりにやってしまったミス
お客様の言葉を聞き逃したのだ
仕事に集中しなきゃいけないのに
頭の中は小鳥遊くんのことばかりだ



『ーー、失礼いたします』



ようやく終えた1件
ヘッドマイクを外し、ため息をついた
お客様の声を聞き逃すなんて
初歩的なミスだ



「大丈夫?」


聞きなれない声に顔を上げると
そこにはいつもいないはずの白戸課長がいた


『…問題ありません』


そう返し、ヘッドマイクをつけた

< 124 / 397 >

この作品をシェア

pagetop