ヘタレな貴方と強がりな私
「ありがとうございました」
目当ての商品を買い
腕時計を確認する
あと20分、まずいと思い
小走りになる
中庭を通らなくてはならない
フロアに戻るには遠回りだ
「染川さん?」
急いでいるときに限って
声をかけられるとか、ついていない
誰だよ、と振り向けば
毎日のように電車で会う小鳥遊くんだ
「やっぱり染川さんだ。昼休み?」
片手を上げながら
やぁ、と和かに近寄ってくる
そんな時間はないよ、と思いながらも
返答をする
『うん。小鳥遊くんも?』
「いや、俺はナンパ」
突拍子もない答えに驚く
仕事中じゃないの?と
思いながらも、
かまってられないという気持ちになった