ヘタレな貴方と強がりな私


そこから
お兄さんは東雲紗枝に近づき
口説き、モノにした

その見せしめの留学
連れていくことにしたらしい


「俺が紗枝さんと暮らしていたことは知らなかったみたいだったけど、それでも俺から奪ったことには変わりないって…初めて兄貴に頭を下げられたよ」


それからは
小さい頃の話や両親のことを
話しながら
楽しく呑んだという


「俺が成人になったら、一緒に呑みたかったってさ…。二度と俺に会えないと思ったみたいで、今回俺から連絡きて嬉しかったって…涙目になりながら言ってくれて…」


そう話す小鳥遊くんの声が
少し震えている
大丈夫だ、と伝えたくて
小鳥遊くんの手を握った

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