ヘタレな貴方と強がりな私


「おはよう、優奈さん」


次の日から小鳥遊くんは電車に乗っていた
後輩が怪我かは復帰したから
早く行かなくては良くなったらしい

また周りから私を守るように立ち
たわいもない会話をする


変わったことといえば
私を“優奈さん”と呼ぶことと
自分のスケジュールを
伝えてくるようになったこと

いつが休みだとか、
仕事終わりに友達と飲みに行く、とか


「休みの日だけでも、会社まで迎えに行こうか?この前みたいに会ったら困るでしょ?」


『何言ってるの。私、子どもじゃないのよ』



そう?と
たまに小鳥遊くんは私を子供扱いしてくる
小鳥遊くんの大きな手が
私の頭に触れる

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