出会えた奇跡
初めまして

「いたっ、なに?!」

私は昨日8時に寝てから1度も起きずに朝を迎えたのだが…
さすがの私もこの目覚め方は初めてだ。
先日は、ベッドから落下してお尻を痛めて
起きたり、壁に近すぎて足の小指をぶつけたりなどならあったが…やはり、刃物を突きつけられて目覚めたことはない。
私の上に乗り、顔は見えないが…
オレンジの頭をしている気がする。
この時代にオレンジって…

「ぷっ…」

ちょっと笑ってしまった。
この時代にオレンジって痛いわって
考えてるとオレンジ君に


「何笑ってるの?」

と問われた。

「いや…別に。笑ってなど。」

と冷静を保ちながら答えるがそれでも
やっぱり顔がニヤッてしてしまう自分が
恨めしい。

「ねぇ、ここはどこ?何が目的なの?」

と低くて冷たい声で聞かれる。

何がって、別に何も目的はないしどこって
見ての通り私の家だし。
むしろ貴方はどうやって家に入ったのか
聞きたいくらいなんだけど…
その言葉を飲み込み私は

「地球」

とだけ答えた。何とも完結で素晴らしいと
自分を褒めていると

「ふざけてる?日ノ本じゃないよね?」

とさらに深く首の動脈を切った。
< 1 / 9 >

この作品をシェア

pagetop