危険地帯
『よろしく、黒龍さん』
つまらなかったら、抜けちゃうよ?
楽しませてよね。僕が退屈しないように。
きっと黒龍に入ったその時、僕の心は完全に黒に染まったんだ。
悪魔との契約によって。
――そんな深月との出会い、そして黒龍との出会いがあったのが、あの屋上だった。
もう少しドラマチックな場所の方がよかったかもな~。
例えば、展望台とか浜辺とかさ。
「ねぇ、律ぅ~。行こうよぉ」
「はいはい」
女に腕を引っ張られて、僕は我に返る。
今じゃ、“黒龍の猫平律”に何の違和感も持たなくなったな~。
慣れって怖い。
……黒龍に入って良かった。
楽しいコトがたくさんで、すっごく刺激的な世界だ。