危険地帯
僕は、わかってるよ。
羽留は逃げないってこと。
誓いを守って、午後になったらちゃんとここに、黒龍の監獄の中に戻ってくる。
だって、羽留にはないはずだもん。
逃げるという選択肢が。
怖くて、できないんでしょ?
「じゃ、じゃあ、繁華街に行ってくる」
羽留は僕に怯えた様子で俯きながらそう言うと、階段を上って地下から出て行った。
短い自由を、楽しんできてね~。
今この一瞬だけ忘れられる恐怖を、また植え付けてあげるよ。
「……で、昨日言ってた、面白いことって何だ?」
羽留が去ったのを確認してから、ソファに座っているリーダーが急かすように尋ねた。
司は、朝食の準備ができたらしく、テーブルに今日の朝食を置く。
わあ、美味しそ~!
今日の朝食は、和食だ!