危険地帯



僕は、わかってるよ。


羽留は逃げないってこと。


誓いを守って、午後になったらちゃんとここに、黒龍の監獄の中に戻ってくる。



だって、羽留にはないはずだもん。


逃げるという選択肢が。


怖くて、できないんでしょ?



「じゃ、じゃあ、繁華街に行ってくる」



羽留は僕に怯えた様子で俯きながらそう言うと、階段を上って地下から出て行った。


短い自由を、楽しんできてね~。


今この一瞬だけ忘れられる恐怖を、また植え付けてあげるよ。




「……で、昨日言ってた、面白いことって何だ?」




羽留が去ったのを確認してから、ソファに座っているリーダーが急かすように尋ねた。


司は、朝食の準備ができたらしく、テーブルに今日の朝食を置く。



わあ、美味しそ~!


今日の朝食は、和食だ!



< 103 / 497 >

この作品をシェア

pagetop