危険地帯



もし三人が喧嘩に負けたら、私はどうなるんだろう。


解放されるの?


それとも、龍司という人達に本当に奴隷として扱われるの?



私にとって、あの三人が勝った方がいいのか負けた方がいいのかわからない。


心に、ズシンッと大きくて重い石が落ちてきた感覚になった。



「ハンデに僕達は素手で闘うよ~」


「余裕ぶってられるのも今のうちだぜ?」



ニヤニヤと笑いながら言った律を睨む龍司という人。



龍司という人はポケットから石を三つ取り出し、三人に向けて石を思い切り投げた。


三人はそれぞれ軽々と石をかわしたが、石は弾丸のような威力で廃ビルのガラスを割った。



――パリンッ、と割られたガラス。



私はガラスの破片が刺さらないように、慌てて避けた。


龍司という人がもう一つ石を取り出し、深月を狙って石を投げた。


深月にまたしてもかわされた石は、再びガラスを割った。



その音を合図に、現黒龍と元黒龍の対立が始まってしまった。



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