危険地帯
病院側から神雷に、羽留が無事なことを伝えてくれるそうだ。
ぶっちゃけ、今神雷と会いたくなかった。
黒龍と神雷の溝が、深まってしまったせいかもしれない。
そして、俺達は眠る羽留を一目見てから、たまり場に戻った。
地下に行って、三人ほぼ同時にソファに腰かける。
誰も喋らないまま、数十分、沈黙が続いた。
羽留の命が助かったのはよかったが。
俺だけじゃなく司と律も口を開かないのは、おそらく、もう一人の羽留が最後に言った、俺への罰のせいだろう。
『深月、あなたには――』
髪をかき上げて、雨で濡れた髪を整える。
俺への罰は、ひとつの終わりを示していた。
「僕は、嫌だよ」
長い沈黙を破った、律の間延びしていない真剣な声。
罰を嫌がる律の意見に、司は目を伏せた。