強気な彼女は逃走中
これは人助けだしね。

しっかし、こんなとこ夜都に見られたら…こわっ。

寒気がしてきた。

身体がぶるっと震える。

「寒いですか?」

それに気がついた先生。

繋いでた手をコートのポケットに入れて、また歩き出す。

暖かいんですが…違います!

ただの武者震いですから!

これじゃ、本当に言い訳できない。

その時、メール音がなった。

ビクッとなる私。

「あっ、いなくなりました。ありがとうございました。」

そう先生に言われて、私は離された手でケータイを取り出す。

『お役に立ててよかったです!では、失礼します。』

頭を下げて、その場から離れる。

ケータイを開くと。

〝見たわよ〟

立花!

後ろを振り向くと、立花がいた。

『うわっ!』

近すぎて、思わずのけ反る。

『びっくりした!』

「びっくりしたじゃないわよ。あのイケメン誰?」





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