いつかの君へ

昴のお母さんとあたしのお母さん。



ふたりは大親友とのことで



たまたま同じ時期に結婚したから



子供も、仲良く同級生が良いよねって



同じ時期に出産したんだって。



あたしの隣には



当たり前のように昴がいて。



ずっと ずっと、一緒だと思ってた。



いつからだろうか。



昴が男の子で



周りの女の子が昴の彼女になりたいと



『 となり 』を狙うようになったのは。



昴の髪の毛。



昴の背中。



ごつごつした、大きな手。



あたしは幼なじみで、それ以上でもなくて。



昴の全部をもらうこともできない。



こんなにも近くにいるのに、



凄く、遠く感じるのは



きっと あたしだけなんだ。



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