忘れたはずの恋
1.新人君、いらっしゃい
4月15日。

総務部は人の動きが慌ただしく、落ち着かない。
4月1日付けで新しく採用した新人が研修を終えて今日からこの郵便局にやってくる。

真新しいスーツに身を包んだ彼ら。
一人は大卒。
一人は高卒。

大卒は身長が170くらい。
ちょっとぽっちゃり体型。
これも配達をしていたらスリムになってくるだろう。
インテリチック。

高卒は…180を超えた長身。
体は…私より細い。
スーツに隠されているけれど、明らかに細い。
顔は…少しヤンチャそうでまだまだ幼かった。

大卒の名は『近藤 智』

声も低く、落ち着いていた。

高卒の名は『藤野 幸平』

高い声の、本当に幼い印象しかない。

総務で挨拶を終えると2人は総務部長に連れられて集配営業部に連れて行かれた。



まあ集配に配属だし。
直接は関係ないしね。

「あの子達、続くかなあ」

見た目でモノを言う課長に何となく相槌を打つ。

二人とも来年の今頃はいない、という事もあり得る。

私はそんな考えからふと我に返って首を横に振る。

そしてPCと睨み合う。

早く会議資料を作成しないと…。



最初は、何とも思わなかった。
なのにハマってしまうなんて…。
< 1 / 96 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop