柊くんは私のことが好きらしい
女子はなかなか決まらず、結局くじ引きで決めることになり、恨みっこなしで咲が当選してしまった。あの瞬間だけは、咲がクラスで1番目立っていた。
言っちゃなんだけど、最悪な組み合わせだと思う。
だらけてなんぼの咲と、時短って言葉が大好きな小鷹くんでしょ? 反発し合うことは必須だと思っていたけど、まさかここまで相性が悪いとは。
「ほら、20分切っちゃうよ。5分前行動がモットーなんでしょ。さっさと行けば。てかどうせ顔合わせだけでしょ? 小鷹ひとりで充分じゃん。咲はお弁当食べるのに忙しいし、食べ終わってもメイク直しで忙しい」
「全員で顔合わせしなかったことで今後、円滑に作業が進まなくなったらどうするんだ」
「どうにでもなりやがれって感じですが。ていうかどうしたの。その先を見据えすぎな計画性ってなんなの。一周回ってアホなの? 普通そこまで考えないし」
「考えてるから言ってるんだろ。弁当なら視聴覚室で食べればいい。実行委員の仕事も果たせる上に食欲も満たせて効率がいい」
「はあぁぁあ? アンタが言ってるのは全校集会中にひとりで弁当食えってことと同じだからね? 効率よくても印象よくないってことくらい、少し考えればわかるじゃん。バカじゃないの。時間だの効率だの考えすぎ。それを強いられる咲は窮屈極まりない。つまりアンタは心がせまい」
よくもまあ息継ぎもせず、そこまで罵倒を並べられるものだ。
次から次へと浴びせられたそれに、小鷹くんは不快そうにするわけでもなく。むしろ感心するような眼差しで咲を見つめ、腕を組んだ。