柊くんは私のことが好きらしい

フンッとそっぽを向いて、カップケーキを持ったまま教室へ戻っていく横居さんを、幼馴染のふたりが私たちへ『ごめん』と言うように手をかざしてから追いかけていく。


「何、今の。横居ごときでギクシャクしないわ」

「ごときって!」


吹き出すふっくんもなかなか失礼だけど、確かになんだったのか。


よく一緒にいるふたりの会話を間近で聞いたのは初めてで、想像と違ったせいか意外でしかない。


もっとこう、猛アタックされてると思っていた。好き好きアピールがないわけじゃ、なかったけど。どちらかといえば、ファンってより、マネージャー、みたいな。それかファンクラブの会長? あ、しっくりきた。


「横居はな……自分が正義みたいなところがなあ……」

「でもお前、女嫌いとまでは言わないけど、横居がいなきゃとっくに人疲れしてるんじゃないのか」

「……」

「え、ちょっと待ってやめて。なんかそれ俺のダメージが大きいっていうかイメージダウンじゃない!?」

「わはは。落ちろ落ちろ。そしてモテなくなれ」

「まあ福嗣ほどではないからいいか」

「ふっざけんな傷付くわ!!」


威嚇する小動物のようなふっくんに対して、からかうのが当たり前みたいな柊くんと小鷹くんの笑顔。3人の様子はいたって日常的なものに見える。


横居さんって、私だけじゃなくて他の女子にも牽制しまくってるのかな。言い方からして、柊くんの身の振り方にも文句をつけているみたいだったし……。
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