柊くんは私のことが好きらしい

「おまえらなんなの!? 俺が何したっていうの!? 暴力はんたぁああああい!」

「はあ……そうやってすぐ口に出すから、彼女にまで迷惑かかってるんだろ」


えっ、私!? 突然の指摘にふっくんも「なんのことだよ!?」と反論に掛かる。小鷹くんは一層深くため息をつき、腕を組んだ。


「しゃべる前に考えろ。自分の声量くらい把握しろ。周りをよく見ろ、阿呆が。それができなきゃ黙ってろ」

「小鷹、そのへんで」


もういいよ、と止める柊くんの表情は、全くもってよさそうじゃない。でもふたりが言いたいことは、察したつもり。


私が、というより。柊くんが告白をし、返事が保留になったことが学校中に知れ渡ったのは、ふっくんが原因だったりする。


人の目を気にしないふっくんのそれは強味でもあるけど、状況によっては不利になるわけで。


告白された次の日の、1時間目の休み時間。協力した告白の結果を問いただすふっくんに、柊くんが折れたのが始まりだった。


学校のどこかで、『フラれたあ!?』とふっくんの声が響いたらしい。そのあと『なんだよ保留かよーっ!』とかなんとか続き、それはまるで爆竹のように学校中へ広まって、『高遠陽鞠って誰!?』と、大勢の生徒が教室まで押し寄せたのだ。


柊くんも、ふっくんも、ものすごく謝ってくれたけど、悪気があったわけじゃないから、怒れなかった。
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