あたしのオキテ-切なくて、でも忘れられない
そんなことを考えていたら、ドアベルが鳴った。



誰かと想って、覗いてみたら、翔くんだった。両手を、ジーンズのポケットに入れて、立っていた。



居留守を使ってみたけど、電話が掛かってきて、その音が、外にも聞こえているのが分かった。



私は観念して、ドアを開けた。



翔くんは、黙って、あたしを抱きしめた。



俺、みこのこと、ほんとに大事だから。そう見えないかもしれないけど、ちゃんと考えてる。だから、彼氏とわかれてよ。



翔くんは、あたしを抱きしめながら、あたしの耳元に囁いた、



じゃあ、彼女と別れてよ。


あたしは言った。



翔くんは、また困った顔をした。




彼女とは、中学から一緒で、家族見たいなものだから、時間がかかる。



翔くんはあたしを抱く腕に力を入れた。




でも、一緒にいて安心するのは、みこだから。



翔くんの真剣な目をみたら、もう何も言えなくなった。



翔くんはあたしをベットに座らせてから、うっとりするような、濃厚なキスを繰り返す。


もう、どうでもいい。



あたしは、翔くんの与えてくれる快楽に、身を任せた。
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