あたしのオキテ-切なくて、でも忘れられない
どうして?



だって、俺、みこりんとの時間も、今は大事なんだもん。



急に年下っぽく喋る翔くんが、嫌だ。わがまま言われると、言いなりになっちゃうこと、知ってるんだ。



でも、今日はよして、あたし、ちょっと、考えたい。




そう言ってから、今日が土曜の夜なことに気がついた。いつも、平日の夜にやりにくるだけなのに、少しは期待していいの?



分かった。でもまた電話掛けるから


そう言って、電話が切れた。もう一度、来たいと言われたら、断らなかったな、あたし。二番目でも、ちゃんと想ってくれてるみたいな気がしちゃった、今までで一番。



湊くんのお陰だ。きっと。



彼氏の存在を知って、急に惜しくなったんだよね、翔くん。




そのくらい、分かる。うその彼氏だけど。



ふっと、しょっぱいね、と言った湊くんの顔が浮かんだ。



優しいキスだったな。湊くんそのままみたいな。
< 19 / 54 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop