あたしのオキテ-切なくて、でも忘れられない
くやしい、くやしい、そればっか頭に浮かんでは消えた。


騙されたのか、あたしが魅力がなくて、飽きられたのか?



ぐるぐる考えているうちに、優しかった湊くんの思い出が浮かんできて、怒りが悲しみに変わった。



あんな男のためには泣けない。そんなプライドに支えられて、それだけで、泣くのを我慢した。




そうだよ、まだたったの2,3週間の付き合い。すぐ忘れられる。すぐどうでもよくなる。




いつだって、そうだったじゃない。あたしは、強いって、湊くんだって、言ったんだから、きっとそうなんだよね。



それからあたしはつぶやいた。




誰かあたしを愛してよ。それがだめなら、殺してほしい




そして、ただ、深く目を瞑った。



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