恋愛セラピー
「本当はもうちょっと太らせたかったんだけどな。皐月、細すぎるから。壊しちゃいそうで怖い」
ひとつになった幸福感に包まれている私をぎゅうっと抱きしめて、理人くんがそんなことを呟く。
「壊れるって、そんなやわじゃないから大丈夫だよ」
それは、なにも考えずに何気なしに出てしまった言葉。私の言葉を聞いて、理人くんの目がキラリと光った気がした。
「そっか、大丈夫か。なんせ十年分だから、一回や二回じゃ満足できないけど、覚悟して全部受け止めてね」
恐ろしいほどに妖艶な笑みを浮かべた理人くんの言葉に、とんでもないことになりそうな予感がした。ついさっき自分が口にした言葉を後悔するけど、もう遅い。
「えっ、明日仕事だから……ちょっと加減してっ……あ、んんっ」
「しょうがないな。家を出る頃までには回復するように加減してあげる」
「いや、そうじゃなくて……んんっ」
反論しようとしてもさせてもらえず、それからはもう理人くんの熱に、ただただ翻弄される。