恋愛セラピー
「あ、あと……皐月さんがその気でいてくれるなら結婚の話、迅速に進めちゃうよ。今さらなし、とか言われても無理だからね。返品不可、クーリングオフ制度はなしだから」
必死な理人くんがおかしくて、安心させてあげたいなと思うけど、もう眠気が限界だ。目を開いていられない。
「ん、いいよ。理人となら……」
「言ったからね? 明日、結婚情報誌とか買ってきちゃおう。一緒に見ようね、皐月」
それを聞いて半分寝かけながらも、笑ってしまう。これじゃ、立場が反対だ。そういうのって普通、彼女のほうが買ってくるものなんじゃないかな。
だけどきっと、私たちはこれでいいんだ。今まで間違ってばかりだと思っていたけど、やっと気づいた。
恋愛のカタチに正解などない。それは、ふたりで築いていくものなんだ。
理人くんと、これからそれを作っていくんだ。ふたりのカタチを、一緒に作っていく。それは、どんなカタチになっていくのだろう。
明日からまた、特別な日々が始まる。