恋愛セラピー
理香の妊娠だって、もちろんうれしいし、無事に出産してほしい。だけど、心のどこかで、それをうらやましいと思っている自分もたしかに存在する。
認めたくはないけれど、この感情は妬みというやつなのだろう。
私だって何歳までに結婚して、子どもを産んで……なんて、そんな夢を見ていた時代もあった。
年上の包容力のある、優しい旦那さんと結婚して、専業主婦になって……そんな理想を抱いていた。
だけど、その夢見ていた年齢の頃には、年上だからって包容力があるわけではないのだと知ってしまった。
どうも私は、異性に甘えることが苦手らしい。でも、優しい腕に包み込まれたい。我ながらなかなか面倒くさい。
だけど、心から甘えられるような男性には出会えなくて、どんどん恋愛から遠ざかり、気づけば今の年齢だ。
まだ諦めるような年齢ではないのは分かってるけど、半分諦めてしまっている。
結婚することが、女の幸せだと思っているわけではないけれど、やっぱり私はその響きに憧れている。