正しい男の選び方
「だけど、オレ、カナと付き合ってからは他には誰とも寝てないし、この前だって何もしなかったじゃん」
「いや……だから!!」
(全然わかってねーじゃねえか、この男は!!)
葉子は大きなため息をついた。
いいとか、悪いとかの話をしていると永遠に平行線だ。この、軽薄を絵に描いたような男に、世間一般の善悪の基準を当てはまること自体が間違っているのかもしれなかった。
「で? 結局どうしたいの? ヨリを戻したいわけ?」
「ハイ。何か知恵を授けて頂けないでしょうか」
急にかしこまった言い方になったので葉子は脱力してへらりと笑ってしまう。
どこか憎みきれないところが浩平にはあった。
「じゃあ、こんなところに来ないで、彼女の家まで言って、ごめんなさい、もうしません、って誠意を込めてきちんと謝ってらっしゃい」
「他には?」
「……それ意外ないでしょ」
「わかった。そうする」
「ほら、早く行ったら?」
「今から?」
「善は急げ、よ」
「じゃ、これだけ飲んだら行く」
そう言って、浩平は残りのワインをなみなみと注いだ。