正しい男の選び方

(やっぱりキタか、その質問……。この質問に応じるのが嫌で、今まで伸ばし伸ばしにしてたんだよね……)

葉子は手にぎゅっと力を込めて、けれども何気ない表情を装って用意していた言葉を吐き出す。昨日、一人で何度も考えては直したセリフだった。

「感謝祭のね、七面鳥の予約を受けたんだけど……その時、七面鳥が大きいので、良かったら食べにいらして下さい、って星野さんが店長に言ったのよ。
 で、店長は自分のところで売ってるのに、七面鳥なんて食べたことがないものだから張り切っちゃって。
 私にも一緒に行くように、って言い出してね。そしたら、星野さんが、だったら政好も一緒にどうぞって……。どうかな?」

「……オレたちが行ったら迷惑なんじゃないの?」

「って、私も言ったんだけどね。店長がどうしても一人だといやだっていうから」

「オレが行かないって行ったら、葉子も行かないの?」

(それができればどんなにいいか!)

葉子は困ったように目を伏せた。

「……いや、店長から絶対来いって言われてる……」

「じゃあ、オレも行くよ」

(……はぁ。……だよね。
 困ったな……)

「あー良かった! 政好が来てくれなかったら心細いなーって思ってたんだもん」

葉子は嬉しそうに答えた。



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