スウィングしなけりゃときめかない!―教師なワタシと身勝手ホゴシャ―


らみちゃんとあのイケメンは、ウォーターサイド・ジャズ・オーケストラの面々と仲がよさそうだった。

どういうつながりなんだろう?


イケメンは、あれが仕事って言ってた。

音楽関係の人ってことだろう。

謎なのは、らみちゃんだ。

小学生の女の子が、夜に地下のライヴハウスに繰り出して、ビッグバンドのジャズに夢中になってた。

この状況もらみちゃんの趣味も、わたしの想像を超えてる。


「むぅ……らみちゃんが音楽得意なのは、この謎な展開に関係あるのかな? いや、関係あってもらわなきゃ困るよね。これ以外、これ以上の謎は勘弁してほしいし」


「じゃあ、なぎさ先生は、この謎をきちんと突き止めないといけないわね」


「やっぱり家庭訪問だね。明日も突撃しなきゃ!」


わたしは、箸を握ったこぶしを固めた。

美香子先生は、頑張れ、と手を叩く。

鼻息荒くうなずいたわたしは、鶏そぼろ丼をがふがふと掻き込んだ。

ああ、ヤバい、おかわりほしいほどおいしい。


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