誰も知らない、君に釘付け。〜彼の隠れた裏の顔〜
「じゃあ愛果、また明日ね〜」
「うん、ばいばいっ」
放課後、紗奈に笑顔で手を振る。
さて……と。
栖和 愛果、教室前方の席を確認。
まだ、夏木くんは帰る支度をしている模様。
未だにジャージ姿だ。
よし、今なら大丈夫!
私は夏木くんの方へ歩いていき、そのまま前を通り越して教室を出た。
「よし。計画通りっ」
目標、保健室。
放課後まできたら、もう部屋に戻ってから直接謝罪した方が…って思ったけど。
謝るなら、せめて保健室の先生がいる前で!
それならきっと、夏木くんも下手に素が出せない…!
自分で考えただけに、なんとも悪賢い計画……
で、でも、少しでもリスクを負わない為。
仕方ない……よね?