誰も知らない、君に釘付け。〜彼の隠れた裏の顔〜
色々と疑問はあるのだけど、とりあえずは…
「な、夏木くん……」
「なんだよ」
機嫌悪いの分かりやすいなあ…。
「……ああ、手か。悪い」
ぱっとすぐに手を離してくれた夏木くんなんだけど。
「うん。あの、そうじゃなくて」
いや、もちろん手もなんだけど……
言いにくそうにしていると、夏木くんは振り返って私を見た。
その目はすごく面倒くさそうだったけど……
私の格好を見た途端、目を見開いて視線を逸らした。
「お前、制服は?」
「……詠海さんのとこ」
ぽつりと呟くと、夏木くんは大きなため息をついた。
そして頭をがしがし掻くと、自分のブレザーを脱いだ。
それを私に投げ渡す。
「……え!?」
「しばらくそこにいろ」
驚く私にそれだけ言い残して、夏木くんは逆走していった。