誰も知らない、君に釘付け。〜彼の隠れた裏の顔〜
「久々に家に来たってことは……
考え直してくれたのね?」
「ちが……俺は忘れ物を取りに来ただけで」
「嘘ね。
小さな時から着せられてた、女物の服が着たくなってきたんでしょ?」
「は、そんなわけ…」
あの夏木くんが、ペースを乱されてる……?!
さすがお姉さん、というか。
詠海さんの雰囲気が、さっきまでと違いすぎて……
「ほら、帰るぞ」
「わ、私も…!?」
驚く私の手を握り、夏木くんは足早に詠海さんの部屋を後にした。
「あ、待ちなって。膳!」
声を上げる詠海さんに、夏木くんが反応することはなく…
私は慌てて振り返り、頭を下げた。