君はこんなにも綺麗だ 後編 〜背中〜
「昔、父さん、父が亡くなった時、女の子に会ったんだ。名前は知らないし、どんな子だったかも覚えてないんだけど、ここに居たら、また逢えるような気がするんだ。」

春馬くんは笑う。

「覚えてないと思った...」

小さい声で呟く

「ん?」

春馬くんは小さく笑う
本当は、その時の女の子は私だと言いたい。でもそれを伝えたところで、好きだと気づいて貰えない。残り僅かしかない私にそんな資格はない。
自分にそう言い聞かせた。

「なんでも無いです...」

小さく笑うと春馬くんは

「分かった。でもあんまり無理しちゃダメだよ。僕は仕事に戻るよ」

抱きつきたいぐらいの気持ちを抑え付けて、必死だった
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