二度目は誠実に
さらに引き寄せられて、私は彼の腕の中に入った。


「あー、やばいな。離れたくなくなる。もう1日中沙弓の顔を見ていたい」


「次の土曜まで我慢して」


「うん、我慢する。だから、キスして」


だから、キス?

なんでそうなるの?


「ねえ、早く。俺、戻らないと要さんに怒られちゃう」


「そんな身勝手な……。もう……」


理不尽な彼の要求に私は応えるしかなかった。

素早く彼に口づけると、また嬉しそうに笑う。


「サンキュ。でも、あまりにも早すぎてよく分かんなかった」


彼はそんなことを言って、今度は彼からキスをしてきた。私のした軽いキスではなく、濃厚なのを。


「た、たくと……ん、もう……」


息が上がりそうになったとき、背中を叩く。止めるように意思表示しないと彼のやりたい放題になってしまう。


「沙弓、顔真っ赤」


「もう恥ずかしいから見ないで」


彼を先に書庫室から出して、私は後から鍵をかけて戻った。

誰かに見つかったら大変だけど、こういう刺激もありかもと口元を緩ませてしまう。

恥ずかしいけどね。


ーおまけ-ENDー
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