二度目は誠実に
平日は彼が忙しく、帰りにご飯を食べたりすることさえも出来ないけれど、毎日彼が総務部に顔を出すから会わない日はほとんどない。

だから、付き合って二ヶ月が経つけど、3日間も会わなかったことは初めてのことだった。


「私も寂しかったけど」


「だろ? そうだろ? 沙弓も同じで嬉しい」


彼は自分だけが寂しいと思っていたようで、私も同じだと告げるとしょんぼりしていた顔をあげて、嬉しそうに笑う。

こういう彼の笑顔は大好きだけど、なんだか照れくさい。


「まあ、うん」


「沙弓も寂しかったら、寂しいと言っていいんだよ。ね、いつでも言って」


「そんな大げさなこと……」


「沙弓は本当に恥ずかしがりやさんだよね」


彼は優しく笑って、私の腕を軽く引っ張り、自分のもとへと引き寄せた。息がかかるくらいの距離に心臓が大きく揺れる。

オフィス内でドキドキさせられるのは、久しぶりだった。


「拓人。そんな近いの、恥ずかしい」


「何を今さら? でも、照れる沙弓はほんとかわいい」
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